Huion Kamvas 22 (Gen 3) は、2026年3月に発売された21.5型の液晶ペンタブレットです。解像度はQHD(2560×1440)、リフレッシュレートは90Hz、筆圧は16,384段階で、参考価格は94,800円。発売から4カ月ほどが経ち、国内外のレビューがそろってきました。
本記事では、国内のレビュー4本と海外のレビュー5本を読み比べて、評価されている点と、繰り返し指摘されている注意点を整理します。よい話も気になる話も、なるべく同じ分量で並べていきます。
国内レビューの評価
ゲーム会社のデザイナーによるレビュー[1]は、描き味を細かく検証しています。筆圧は「弱筆圧から強筆圧までの変化が滑らかで、不自然さがない」、画面はエッチング加工で「ペーパーライクに近い」質感があり、保護フィルムを買い足す必要は感じなかったとのこと。フルラミネートによる視差の少なさも「思った通りの場所に描ける」と評価されており、Illustratorでのパス操作が直感的に行える点まで踏み込んでいます。
現役漫画家の実戦投入レビュー[2]では、大画面の効きどころが具体的に語られています。ツールもレイヤーパレットも「全部画面内に置けるし、ペンのまま触れます」とのことで、マウスへの持ち替えが減り、作業の流れが途切れにくくなったそうです。QHDの精細さについては「粒感のなさで目が疲れにくい」とし、10〜20時間単位の作業を想定した評価になっています。ペンの傾き検知は「全然違う感じがする」、90Hzの追従性も良好とのことでした。
個人ブログのレビュー[3]にあった「巨大なQHDキャンバスはアトリエ気分を誘発」という表現は、この機種の性格をよく表していると思います。据え置きの大画面で、のびのび描くための一台ですね。
海外レビューの評価
海外メディアのレビュー5本[5][6][7][8][9]も、おおむね国内と同じ方向です。Creative Bloq は「ミッドレンジの水準を再定義する」[5]、Digital Camera World は「大画面エントリーの新しい基準」[8]と、価格に対する画面・ペン性能の水準を評価しています。色は工場出荷時にキャリブレーションされており、発色の信頼性に触れたレビューも複数ありました。AppleInsider は入門〜中級の選択肢として「優れたエントリーオプション」と位置づけています[7]。
評価の中心はどのレビューでも共通していて、「この画面サイズと描画性能が10万円を切る」というバランスに集まっています。
繰り返し指摘されている注意点
もちろん、よい話ばかりではありません。国内外で共通して挙がる注意点も見ておきましょう。
タッチ非対応・物理ボタンなし。 指でのズームや回転はできず、本体フレームにショートカットキーもありません。左手デバイスの Quick Keys は別売です[1][5]。ショートカットはソフト側や左手デバイスで組む前提の機種といえます。
場所を取る。 21.5型の据え置き機ですので、机の奥行きによってはキーボードの置き場に工夫が必要です[1]。また、USB-C 1本では電力が足りず、AC電源の接続が別途必要になります[2]。狭いデスクやワンルームで使う場合は、設置イメージを先に確認しておいたほうが安心です。
ソフト側の相性。 Windows では Photoshop / Illustrator 間で Windows Ink 設定の切り替えが必要になる場面があるようです[1]。Mac では21.5型・1440Pの組み合わせでUIスケーリングの問題が報告されており、そのままではUIが小さすぎ、拡大するとぼやけてしまうとのこと。海外レビューでは、無料アプリの BetterDisplay で回避できるとされています[6]。初期状態のペン設定も、自分好みへの調整が前提です[2]。
長期の耐久性はまだ分からない。 発売から4カ月の機種ですので、年単位の信頼性はまだ誰にも評価できません。漫画家のレビューでも「年単位で使わないと本当の評価は分からない」と留保が付けられています[2]。
競合の中での立ち位置
同じ21.5型のクラスには、WacomのCintiq Pro 22(参考価格 448,800円)があります。ペン性能や4K・120Hzのパネルは上ですが、価格はKamvas 22 Gen 3の4倍を超えます。海外レビューでも「同サイズの描画面をこの価格で」という比較が繰り返されていました[5]。
ほぼ同じ価格帯では、XP-PenのArtist Pro 22 (Gen 2) 2.5K(参考価格 99,040円)が直接の競合です。解像度は同じ2.5Kクラスで、ペン方式や保証条件の好みで選択が分かれるところでしょう。国内でも両機の比較レビューが出ています[4]。
誰に合うか
レビューを通して見えてくる輪郭は、わりとはっきりしています。大画面で腰を据えて描きたい、予算は10万円以下、タッチ操作や本体の物理ボタンは不要で、左手デバイスやショートカットで補える。そういう方にとって、いまの21.5型クラスでまず検討したい一台だと思います。国内のプロユースのレビュー2本[1][2]がどちらも実務投入を前提に肯定的だったのは、エントリー価格帯の液タブとしては珍しい結果でした。
逆に、指でのタッチ操作が欲しい方、机の奥行きに余裕がない方、Macでスケーリング調整の手間をかけたくない方には向いていません。当てはまる場合は、サイズを一段落とすか、別の機種を検討したほうが後悔は少ないはずです。
サイズ選びや設置スペースの考え方は、液タブ選びで失敗しないための6つのポイントのポイント3にまとめています。あわせてどうぞ。
出典一覧
- ゲームメーカーズ「10万円以下で21.5インチの大画面液タブ『HUION Kamvas 22 (Gen 3)』をゲーム会社デザイナーが本音レビュー」https://gamemakers.jp/article/2026_03_03_131797/ (取得日:2026-07-02)
- アニメ!アニメ!「プロの現場でも十分通用する21.5インチの新型エントリー液タブ『Kamvas 22(Gen3)』―現役漫画家が実戦投入」https://animeanime.jp/article/2026/03/04/96559.html (取得日:2026-07-02)
- オレフォルダ「HUION Kamvas 22 (Gen 3) レビュー:巨大なQHDキャンバスはアトリエ気分を誘発!」https://orefolder.jp/2026/04/huion-kamvas-22-gen-3/ (取得日:2026-07-02)
- おちむしゃ「HUIONからKamvas22(Gen3)が発売!ArtistPro22(Gen2)どっちがおすすめ?」https://otimusya24.com/kamvas22-gen3-release/ (取得日:2026-07-02)
- Creative Bloq「Huion Kamvas 22 (Gen 3) review: redefines what we can expect from a mid-range drawing display」https://www.creativebloq.com/art/digital-art/huion-kamvas-22-gen-3-review-redefines-what-we-can-expect-from-a-mid-range-drawing-display (取得日:2026-07-02)
- Parka Blogs「Huion Kamvas 22 (Gen 3) pen display review」https://www.parkablogs.com/content/huion-kamvas-22-gen-3-pen-display-review (取得日:2026-07-02)
- AppleInsider「Huion Kamvas 22 Gen 3 drawing tablet review: an excellent entry-level option」https://appleinsider.com/articles/26/03/10/huion-kamvas-22-gen-3-drawing-tablet-review-an-excellent-entry-level-option (取得日:2026-07-02)
- Digital Camera World「Huion Kamvas 22 Gen 3 review」https://www.digitalcameraworld.com/tech/tablets/huion-kamvas-22-gen-3-review (取得日:2026-07-02)
- Fstoppers「Huion Kamvas 22 Gen 3: raising the bar for the editing experience」https://fstoppers.com/reviews/huion-kamvas-22-gen-3-raising-bar-editing-experience-900732 (取得日:2026-07-02)



