Wacom Cintiq 16 には、2019年1月発売の旧モデル(DTK1660K0D)と、2025年6月発売の新モデル(DTK168K4C)があります。同じ製品名なので、購入時は型番で区別してください[4]。参考価格は旧モデルが99,880円、新モデルが118,800円で、差は約1.9万円。
同じ「Cintiq 16」という名前ですが、中身は6年ぶんの世代差があります。特に大きいのがペンで、新モデルは上位機と同じ Wacom Pro Pen 3 に対応しました[1]。ここを含めて、何がどう変わったのかを見ていきます。なお本文中の価格は掲載参考価格で、販売店の実売価格とは異なります。
ペンが上位機と同じものになった
新旧でいちばん性格が変わったのが、ここだと思います。
旧モデルに付属するのはPro Pen 2で、これも十分に評価の高いペンでした。対して新モデルはCintiq Proシリーズと同じPro Pen 3に対応します。週刊アスキーの記事によると、高精度な筆圧検知・傾き検知に加えて「サンプリングレートも向上したことでより滑らかな線の追従性が実現」されたとのこと[1]。付け替え可能な木製グリップも用意され、握りのカスタマイズ性も上がっています。
筆圧段階だけを見ると新旧ともに8,192段階で、スペック表の上では差がありません。ですが、線の追従性はサンプリングレートの影響を受ける部分ですので、カタログの数字に出ない差がここにあると考えたほうがよさそうです。
ちなみにこのPro Pen 3対応によって、無印CintiqとCintiq Proの線引きも変わりました。そのあたりはWacom Cintiq と Cintiq Pro は何が違うのかで整理しています。
画面は2.5Kになり、色域は大きく広がった
画面の変化は数字ではっきり出ています。
| 新モデル(2025年) | 旧モデル(2019年) | |
|---|---|---|
| 参考価格 | 118,800円 | 99,880円 |
| 画面サイズ | 16.0型(16:10) | 15.6型(16:9) |
| 解像度 | 2560×1600 | 1920×1080 |
| 色域 | sRGB 100%/DCI-P3 99% | sRGB 96%/NTSC 72% |
| 対応ペン | Pro Pen 3 | Pro Pen 2 |
| 筆圧 | 8,192段階 | 8,192段階 |
| 接続 | USB-C(1本接続はPC側条件あり) | HDMI+USB+AC電源 |
| 厚さ | 15mm | 24.5mm |
解像度は1920×1080から2560×1600へ。画素数でいえば約2倍になり、画面比率も16:9から16:10と縦に広がりました。線の精細さはもちろん、ツールパレットを並べたときの描画領域の確保でも効いてくる部分ですね。
sRGBカバー率は旧モデルの96%から新モデルの100%に広がっています。新モデルはDCI-P3 99%も公表されていますが、旧モデルの72%はNTSCの数値です。同じ基準で72%から99%になったとは比較できません[5][6]。
USB-C 1本接続にはPC側の条件がある
接続方式も変わりました。旧モデルはHDMI・USBに加えてAC電源が必要です。新モデルはUSB Type-Cでの映像入力と給電に対応しますが、1本接続にはPC側のDisplayPort Alt Mode(映像出力)とUSB Power Delivery(給電)への対応が必要です。電力供給が足りない場合は付属のACアダプターも接続します。USB-C端子があるだけで1本接続できるわけではありません[5][6]。
ケーブル1本で完結するかどうかは、ノートPCで使う場合の取り回しにそのまま響きます。この点だけでも新モデルを選ぶ理由になる方は多いのではないでしょうか。ちなみに同時発売のCintiq 24は画面が大きいぶん、電源は別途必要とのことです[1]。
本体の厚さも24.5mmから15mmへ薄型化しました。据え置きで使う場合でも、机の上での存在感は変わってきます。
それでも旧モデルを選ぶ余地
ここまで新モデルの改善を並べましたが、旧モデルが選択肢から外れるかというと、そうとも限りません。
モノクロの漫画原稿や線画が中心という使い方であれば、色域の差はほとんど効いてきません。旧モデルもフルHDの画面で描画できます。筆圧8,192段階・傾き検知という基礎も同じです。
デスクトップPCに据え置いて使う場合も、USB-C 1本のメリットは薄くなります。もともとHDMI接続で困らない環境なら、そこに価値を見いだしにくいですね。
掲載参考価格では約1.9万円の差があります。ただし、旧モデルの販売状況と実売価格は販売店で確認してください。そのうえで、「最初の1台の予算をできるだけ抑えたい」という判断は十分に合理的だと思います。旧モデルは劣化版ではなく、6年前の設計がそのまま残っているだけ、という理解が近いはずです。
どちらを選ぶか
カラーイラストを描く、ノートPCで使う、長く使うつもり。このいずれかに当てはまるなら、新モデルを選んでおくほうが後悔は少ないと思います。1.9万円の差でペン・解像度・色域・接続がまとめて世代交代しているので、費用対効果としては素直です。
逆に、モノクロ線画が中心で、据え置き運用で、予算を抑えたい。この3つがそろうなら旧モデルでも実用上の不満は出にくいはずです。
参考価格と販売価格は異なる場合があります。型番・付属品・販売元を購入先で確認してください。
16インチというサイズが自分に合っているかどうかから確かめたい方は、液タブ選びで失敗しないための6つのポイントのポイント3もあわせてどうぞ。
出典一覧
- 週刊アスキー「ワコムのペンタブ「Cintiq」に大進化の16型/24型新モデル Cintiq Pro用の高精度ペンに対応」https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/279/4279861/ (取得日:2026-07-27)
- ITmedia PC USER「ワコムの新型液タブ「Cintiq 16/24」が「Cintiq Pro」キラーな気がしてならない プロ絵師がつぶやいた理由」https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2506/26/news034.html (取得日:2026-07-27)
- ワコムストア「Wacom Cintiq 液晶ペンタブレット」https://estore.wacom.jp/ja-JP/category/pen-displays/wacom-cintiq.html (取得日:2026-07-27)
- ワコム「Wacom Cintiq 16 発売発表」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000016902.html (確認日:2026-10-02)
- ワコムストア「製品比較表・Cintiq 16(DTK1660K0D)」https://estore.wacom.jp/ja-JP/category/accessories/pen-tablet-accessories/guide-book.html (確認日:2026-10-02)
- ワコムストア「Wacom Cintiq 16 (DTK168K4C)」https://estore.wacom.jp/ja-JP/products/wacom-cintiq/dtk168k4c.html (確認日:2026-10-02)


