Wacom の入門液タブ「Wacom One」には、One 12・One 13・One 13 touch・One 14 の4モデルがあります。サイズも価格もバラバラで、しかも価格の並びが画面サイズと逆。これが「どれを買えばいいのか」を分かりにくくしています。
でも、中身を見ると話は単純です。4機種は基本スペックがほとんど同じ。違うのはサイズとタッチの有無、そして価格だけです。
実際、解像度はどれもFHD(1920×1080)、色域はsRGB 96%、ペンは4,096段階、パネルはIPSのフルラミネートで、接続もUSB-C 1本に対応。描き心地や画質に関わる部分は4機種で横並びです。つまり選ぶ基準は「サイズとタッチに、いくら払うか」だけになります。
| 機種 | 参考価格 | 画面 | 重量 | タッチ | 発売 |
|---|---|---|---|---|---|
| Wacom One 14 | 39,800円 | 14.0型 | 1.3kg | × | 2024年 |
| Wacom One 12 | 62,480円 | 11.6型 | 750g | × | 2023年 |
| Wacom One 13 touch | 74,580円 | 13.3型 | 1.1kg | ○ | 2023年 |
| Wacom One 13 | 92,180円 | 13.3型 | 1.0kg | × | 2023年 |
※筆圧4,096段階・sRGB 96%・FHD・フルラミネート・USB-C 1本接続は全機種共通。
なぜ一番大きい14が一番安いのか
この表でつまずくのは、価格が画面サイズと逆になっている点です。14型のOne 14が39,800円といちばん手頃で、13.3型のOne 13が92,180円といちばん高い。
種明かしはシンプルで、One 14 が2024年発売の新しいエントリーラインとして安く設定されている一方、2023年発売の One 12・13・13 touch は値段が高いまま残っているからです。
スペックがほぼ同じなら、大きくて安いOne 14が自然と基準になります。わざわざ小さくて高いモデルを選ぶのは、サイズや軽さ、タッチに払う理由がある人だけ、ということになります。
機種ごとの選びどころ
ほとんどの人は、まず One 14 で十分です。4機種で一番大きい14型を一番安い価格で使えて、Wacomの安定したドライバとペン、日本法人サポートもついてくる。Wacom Oneで迷ったら、ここから検討して問題ありません。
机が狭い、よく持ち運ぶ、できるだけ軽くしたい——そういう人には One 12 が候補です。11.6型で750gと、4機種で一番軽い。ただしOne 14より2.2万円高くなるので、サイズと軽さにその差額を払う価値を感じるかどうかで決まります。
指でズームや回転をしたいなら、選べるのは One 13 touch だけです。4機種でマルチタッチに対応するのはこれだけです。iPad的な操作感を液タブでも欲しい人向けで、タッチに3.5万円ぶんの価値を見いだせるかが判断軸になります。
残る One 13(無印) は、正直なところ今の価格では選びにくいモデルです。One 14より画面は小さく、タッチもなく、それでいて価格は2倍以上。13.3型・タッチなしという仕様にこだわる強い理由がなければ、同じ予算で上位のCintiqクラスも見えてきます。値段が大きく下がっていない限りは、見送りで構いません。
ひとつだけ知っておきたいこと
4機種に共通する弱点として、ペンが4,096段階である点は押さえておきましょう。上位のCintiqシリーズ(8,192段階)より一段下です。とはいえ、入門から中級の描画で4,096段階に不足を感じる人は多くありません。Wacom Oneは「Wacom品質を手頃に試す入門ライン」と捉えるのが実態に合っています。本格的な色精度(sRGB 99%以上)や高い筆圧が必要になってきたら、最初からCintiqクラスを検討したほうが、結局は近道です。
そもそも自分にWacom Oneクラスが合っているのか、もっと上が必要なのかを整理したい方は、液タブ選びで失敗しないための6つのポイントもあわせてどうぞ。




